ある日の里公民館のひろばでの出来事です。

3歳のAちゃんが、布のバスケットのおもちゃで遊んでいました。
そこへ、2歳のBちゃんが来て「貸して!」と言いました。

Aちゃんは「・・・。」
(その表情からは、今は貸したくないという気持ちが伝わってきます。)
Aちゃんのお母様が
「どうする?」
「Bちゃんが貸してほしいって言ってるけど、貸してあげる?」
「それとも、今は使ってるから後で貸してあげる?」
とAちゃんに尋ねました。
Aちゃんは
「後で。」
と小さな声で答えました。
Aちゃんのお母様はBちゃんに
「ごめんね。今、使ってるから、少し待っててくれるかな?」
Bちゃんは、その言葉にうなずくと他の遊びを始めました。

Aちゃんは、バスケットの中からサンドイッチやリンゴを取り出すと、
「はい!どうぞ。」
嬉しそうにお母様に渡して、ピクニックごっこを続けました。
お母様がひと通り食べるマネを終えると、
AちゃんはBちゃんのところに自ら行って、
バスケットを渡していました。

そんなAちゃんに、
「貸してあげられて偉かったね。」
とお母様は褒めてらっしゃいました。
Aちゃんはとっても誇らしげでした。

ひろばで良く見かけるおもちゃの貸し借りの場面。
「貸して!」
私たち大人は使っている子の気持ちを確認せずに、
「貸してあげて!」
と、つい言ってしまいがちです。
Aちゃんは《今は貸せない気持ち》を大事にしてもらえたからこそ、
Bちゃんの《使いたい気持ち》を大事にしてあげることができ、
自分から貸してあげることができたのでしょう。

Aちゃんのお母様の対応は、物の貸し借りの交渉の
良いお手本になったように思います。
Aちゃんの気持ちもBちゃんの気持ちも大切にされて、
とても嬉しい気持ちになった出来事でした。

保育士  大竹恵子

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