昨年から戸塚中学校で始まったあかちゃんふれあい授業。
あすぱるを利用するあかちゃんとママに呼びかけ、親子ボランティアとして中学校に出向いてもらっていたところ、
今年になってから戸塚西中学校からの依頼があり、さらに11月には差間小学校でもふれあい授業を行うことになりました。
中学校では家庭科の授業で保育が必修となっていることから、あかちゃんとママが授業での中学生とふれあう体験を行いました。
赤ちゃんとふれあう事で
・赤ちゃんが身近ではないこの時代に赤ちゃんに対する知識を持つ。
・赤ちゃんとふれあいながら自分も同じように可愛がられて育ったことを想起して自己肯定感を育む
・赤ちゃんの行動から、生き方を学ぶ(泣くことの意味・感情の違いを理解する)
・生きていく力がないままに生まれてくる赤ちゃんと向き合うことは、これまで「誰かのお世話になって生かされた」ということに気づき、どの子も“世界でたった一人 のかけがえのない自分”であることを知ることで、命の大切さ・どう生きていくかなど自分自身の将来について考える機会を作る
参加する親にとっても
・最近の小学校の様子を知り、近い将来の自分の子供の姿を想像する事が出来る
・交流をきっかけにこれまでの育児を振り育児肯定感や母親のリフレッシュになる
・地域に貢献し、やりがいを感じてもらえる
・愛着を感じることで虐待する親を減らしたい
などプラスの効果が得られる事を目的に、差間小学校ライフスキルプログラムとして行う事になりました。
当日はお休みもなく21組の親子ボランティアさんが出向きました。
子ども達はあかちゃんとのふれあいを楽しみ命の大切さ、親への感謝の気持ちを新たにしたようです。
スタッフがファシリテーターをつとめ行った2時間の授業内容をご紹介します。
1時間目で人に会うときのマナーや、あかちゃんの日常とふれあい方を学び、
2時間目では実際にあかちゃんとふれあい体験を行いました。
はじめに今日初めて会う大人とあかちゃんに接する為に基本的なマナーを勉強。
何かをするときは前もってママに
「○○しても良いですか?」
とか、質問が終わったら
「ありがとうございました」
とお礼を言いましょうと話しておき気持ちの良い関わり方を心掛けました。
次はあかちゃんとの気持ちの良い関わりが出来るようにあかちゃんの日常を学びます。
あかちゃんはなぜ泣くの?
あかちゃんの睡眠時間やミルクの回数は?
小学生のみんなとどう違うのかな?
抱っこの仕方。
手あそびうた♪いっぽんばしこちょこちょの練習と自己紹介やお礼の言い方の練習をお隣同士でしてみました。
また、あかちゃんの日常の様子を聞くために3組の親子さんに来てもらい、話しを聞く事もできました
「あかちゃんの様子はどうですか?」
「大変な事はどんな時ですか?」
とありのままのお話しを聞き、ふれあい体験にむけてより実感に近づきました。
スタッフはより良い学びに繋がるようにと講座の内容に沿った関わりシートも作成。
あかちゃんとのふれあいの様子や注意すること、してみたいこと、
ふれあいの後には振り返りとして思ったことや気づいたことなどを書き留めてもらいました。
ふれあう前にあかちゃんのイメージを聞いてみると、
「ほっぺたがぷにぷにしていそう」
「泣いちゃったら大変」
というイメージ。
実際はどうだったでしょうか。ふれあってからのお楽しみ。
3時間目はいよいよあかちゃんとのふれあいです。
会場の体育館に入るときには月齢順に入場したゲストの赤ちゃんとママを皆拍手でお迎えしました。
自己紹介の後はママにいろいろ質問しています。
「あかちゃんの好きな食べ物はなんですか」
「注射はしますか」
「毎日何時間くらい寝ますか」
などなど、小学生の質問に丁寧に答えてくれています。
「ママへの質問が終わった人は抱っこさせてもらいましょう~」
と声をかけ、あかちゃんとのふれあいが始まります。
一番手前のグループは人見知りが始まった6ヶ月のSちゃんの所です。
ご機嫌がだんだんわるくなりつつある中、6年生のお兄ちゃんがなんとかご機嫌を直そうと頑張っています。
あかちゃんを抱っこする様子は慣れているもののなかなかSちゃんの機嫌が良くなるどころかとうとう泣きだしてしまいました。
それでも一生懸命あやしてご機嫌を直そうとしている姿を見て、先生から
「○君があんなに一生懸命泣いている赤ちゃんに関わっているのを見て、驚きました!」
普段学校では見る事のない生徒の様子に驚きと感動を憶えたそうです。
ママも一生懸命になっているお兄ちゃんに応えようと笑顔でSちゃんをあやしてくださっていました。
今回のふれあい体験は、月齢の異なるあかちゃんとのふれあいをおこなうため、
グループの移動も行いました。すると
「1回目では泣いていなかったけど、2回目のあかちゃんは泣いていてあやすのが大変だった。」
というグループや、
「泣き止まそうとしたけどだめだった」
というグループのほか、6年生をお供に館内を歩いていたり、絵本を読んであげているところなど楽しく過ごせているグループもあったようです。
みんな一生懸命にあかちゃんに向きあった楽しい時間はあっという間に終わりお別れの時間になりました。
「ママとあかちゃんにお別れの挨拶をしましょう」
と声をかけるとバイバイタッチや、
握手してお別れしています。名残惜しいようでしたが笑顔でお別れができたようです。
ふれあい後の講評では、ふれあい後のイメージを聞いてみましたところ、
「やわらかくて気持ちよかった」
「見た目が軽そうだったのに重かった」
「泣いちゃってたいへんだった」
などなど意見が出ました。
自分があかちゃんのときは覚えてないかもしれないけど、
みんなちいさくてやわらかくて暖かかったんだよ
食べることも着替えることもお風呂に入ることも自分でできないので周りの人のたくさんの手があって成長できたんだよ
みんなもたくさん泣いてきたんだよ
と伝えてさらに、
抱っこしたときに手に感じた重みは命の重みなんだよと伝えました。
お父さんやお母さんだけではなくまわりの人たちのたくさんの思いがあって今につながっていることを知り、自分は大切に育てられてきた命であり尊い存在であることを心に刻んでほしいと伝えました。
終了後に6年生の先生方があすぱるを訪れてくださり、
あかちゃんふれあい交流体験振り返りシートの綴りと全員のお礼のメッセージを書いたものを持ってきてくださいました。
メッセージカードの抜粋です
「この学習をして思ったことは、命の大切さです」
「命の大切さや、マナーを詳しく教えてくれた」
「赤ちゃんが好きではなかったが赤ちゃんがかわいくて、自分にもこんなときがあったんだと思った」
「今回学んだことを忘れず親への感謝の気持ちを持って日々生活したい」
「赤ちゃんを抱っこしてこれが命の重みだと思った」
「今日は来てくれてありがとうございました」
「あかちゃんとふれあえて楽しかった」
次は振り返りシートの抜粋です
◆授業の後で考えたこと
「赤ちゃんを育てるということが大変なことだとお母さんの話や体験からわかりました。自分たちも小さな頃は周りの人がこんな風に育ててくれたことを考えると、親や育ててくれた人たちは大変だったのだなと思いました。母の日や父の日にはしっかりと感謝の気持ちを伝えたいと思います」
「私は今日の授業で、小さな「命」を感じることができました。そして将来のことやこれからの相手に対してのふるまい方などを考えることもできました」
「命の尊さのことを考えた。命はとても尊いもので一度きりの人生だから、大変なことや、困ったこともあきらめずにがんばってチャレンジして、尊い命をせいいっぱい行きぬきたい」
◆反省
「もっと積極的に質問すればよかった」
「距離感が少しだけしか縮められなかった」
「赤ちゃんが泣いてしまったとき泣きやましてあげられなかったこと」
「最初のほうは何を話せばいいのか分からずママさんにリードしてもらっているようなところがあった ので申し分ないと思った」
以上抜粋は原文のまま記載しました。
小学生にもたくさんの気づきがありますね。
あかちゃんの事を知り自分もそうだった事、命の大切さや尊さを感じたことも大切な気付きですが、
特にお母さんや赤ちゃんに
「もっとこうすればよかった」
と反省点として挙げ、
◆次に会ったときにしたいことで次回への取り組み方を解決策としてあげているところに着目したいと思うのです。
これからたくさんの出来事に出会う子どもたちが、失敗したりうまくいかなかったときの対策を自分で考え、
立ちはだかる壁にむかっていけるようになってほしいと思います。
今回のふれあい交流体験では、この日ボランティアさんで来て下さった方や準備をしてくださった皆様、皆様のお気持ちに心から御礼申し上げます。
なんと早速次の依頼が戸塚北小学校より来ています。
12月17日の予定です。
というわけで親子ボランティアも引き続き募集中です。
次のブログでは参加してくださったママたちの感想も含めてふれあい体験授業の総まとめをお伝えしたいと思います。
どうぞご期待下さい。
児童厚生員 杉浦真美 ⑱