日時:1月23日15:00~16:00
内容:表面張力で動く船づくり
参加者:小学生8名、幼児1名、保護者1名
今回の科学遊びの持ち物は“歯磨き粉”
「船づくりにどう使うのだろう?」
そんな疑問が持てるように、あえて説明文を載せずに広報しました。
そんな疑問と歯磨き粉を持ちながら参加したのは1年生から5年生のメンバーです。
「ぼくもやりたい!」
4歳の弟君も急遽の参加です。
<実験1>
まずは見て学びます。ザルの上に水の入ったコップが逆さまに置いてあります。
水はこぼれません。
「手品みたい!」
と不思議そうな表情の子ども達。
「これが表面張力の不思議です。」
と説明し、表面張力に興味を持ってもらいます。
<実験2>
次はやって学びます。コップに水を入れて一円玉を浮かべるのに挑戦!
これがなかなか難しく成功したのは2名だけ。
「悔しい!もう一回!」
何度も一円玉を乾かしてチャレンジします。
<学ぼう>
表面張力の不思議を体験したあとは、表面張力について学びます。
子どもたちがメモが出来るように希望者には簡単なプリントを用意しました。
・表面張力ってなに?
・どうして一円玉が浮いたのかな?
ホワイトボードにイラストを描いて説明しました。低学年には少し難しい説明ですが、
プリントにメモを書きながら真剣に耳を傾けてくれました。
表面張力について学んだら実際に船をつくる前に、おはなしです。
・歯磨き粉の持つ力って?
・どうして船が動くのかな?
説明だけではなかなか分かりづらい…。まず簡単に説明して早速、船造り!
カットしたクリアファイルに油性ペンでカラフルに絵を描いて…三角形と星または花の形、
2種類の船を作ります。
これで船は完成!出来た子から水道に移動して実験です。
<実験3>
「さっきの話で歯磨き粉をつける場所は覚えてる?」
とスタッフが質問すると
「ここ?」
…う~ん惜しい!!
「分からないよ!!」
…話だけだと想像できないですよね。
「歯磨き粉がエンジン替わりだからここにつけるんだよ」
と説明すると
「ホントに動くのかな?」
という疑いの眼差しで歯磨き粉を付け、水に浮かべます。すると・・・
「うわぁ!動いた!」
「なんで!?」
と良い反応。
「不思議でしょ?」
と不思議を共感します。
花形や星形にチャレンジ!
「これはどこにつけるの?」
となんでも聞きたがり屋の5年生。
「エンジン替わりだよ。どこにつけたい?」
と聞くと、星の尖がっている部分5カ所に歯磨き粉をつけます。浮かべてみると・・・
「くるくる回った!」
「なんで!?」
またまたいい反応。
一通り皆が浮かべ、そろそろ終了の時間なので部屋に戻ろうと思ったら
「もう一回!」
という声が聞こえたので、急遽みんなで競争をすることに!
「いけ~」
「がんばれ!!」
と白熱。
「たくさん付けたら速くなるのかな?」
と勝ち進んだ子は、どうすれば速くなるか考えます。
負けてしまった1年生のYくん。
「悔し~い」
と涙目に。勝ち進んでいた弟くんが少し飽きてしまったので、弟君の船を借りて参戦です。
優勝したのはYくん兄弟!さっきまで涙目だったYくんは
「やった~!!優勝した!」
とスキップで部屋に戻っていました。
最後にもう一度、どうして動くのか説明します。一度実験をしてからだと
「そっか~」
という声が聞こえてきました。歯磨き粉の他にも接着材や洗剤でもできると説明すると
Hちゃんが黙々とメモをしています。
終わってからも
「ここが書けなかった・・・」
と質問してきたHちゃん、おうちでお母さんに説明してあげるそうです。
最後に
「歯磨き粉で船が動く力は・・・表面張力!」
と大切なところを確認して終了しました。
後日、メモをしっかり取っていたHちゃんのお母さんにお話を聞くと
「家で説明してくれました。学校の授業もノート取るの好きみたいです」
と話してくれました。科学遊びで体験して学んだこと、おうちで話してくれたのが
とても嬉しく思いました。
今回の科学遊びでは、耳で聞いていると分からなかったことも実験を通してから聞くと
理解できる様子が手に取るように伝わりました。
「どうして?」
という不思議体験が科学好きへの第一歩です。
今回の経験が子どもたちの学びに種を植えることができたのでは?と感じます。
歯磨き粉で走る船、とても簡単な不思議体験なので気になる方は作ってみて下さいね!
児童厚生員 上田真奈美(2)