日時:2月20日(土)10:30~
場所:みどり児童館 児童室・乳幼児室
「赤ちゃんってどんなイメージ?」
こう聞かれると
「可愛い」
というのが世間のイメージではないでしょうか?
そんな可愛い赤ちゃんとふれあえる事業ならきっとみんな楽しく参加できると考え、
企画したのが「赤ちゃんとふれあおう!」でした。
「子ども好きの子なら参加してくれるかな?」
「欲を言えば男子がいたらいいなぁ」
少し安易な気持ちで周知を始めました。
「将来は保育士になりたい」
なんて話していたOさんなど目ぼしい子に声を掛けますが
「私お母さんの仕事のお手伝いで子ども抱っこしたことあるし…」
なんて理由もあり、断りの返事が続きました。
「やってみようかな…」
そう話してくれたのは5年生のSさん。
「でも昔お気に入りのバック壊されたりしてあんま赤ちゃん好きじゃないんだよね…」
少し後ろ向きな気持ちでしたが、友達のUさんが参加するからと申し込んでくれました。
迎えた当日。
申込みのあったのはSさんUさんの2名のみで、Uさんは急遽学校の予定が入りキャンセルとなりました。
「私ひとりー!?いやだぁ」
と嘆くSさんのもとに、よく遊びに来る5年男子のIくん、Fくんの2人が
「何やってんの?俺らもやってもいいよ!」
と興味本位で参加を決めてくれました。
ここに、実習に来ていた秋草学園の実習生2名を加え、いざスタートとなりました。
内容はまずプリントを利用しながら事前学習。
はじめに赤ちゃんのイメージについてみんなで話しました。
実習生からは
「笑った時の顔が可愛いです。赤ちゃん独特の匂いも…♪」
といったイメージ挙がりました。
子どもたちからは…
「うるさいし、めんどう。あとすぐ泣く。」
「すぐ物を口に入れるし、ヨダレが汚い。」
と悪いイメージばかりが挙がり、可愛いといった声もなし。意外な反応でした。
「んー、すぐ泣くし、ヨダレはたらす…なんでかわかる?」
職員が問いかけると頭を悩ませる子ども達でした。
そこで!乳幼児の職員からみんなのイメージへの答えを交えながら赤ちゃんの扱いについて
話をしてもらいました。
「赤ちゃんが泣くのはね、助けてってメッセージなんだよ。
赤ちゃんは自分ではなんにもできないから泣いたりして訴えているんだ!
みんなが、お腹がすいたぁとか眠い…っていうのと一緒なんだよね。」
すると不思議…子ども達を見ると頭の上にあった「?」マークが驚きのなるほどと
「!」マークに変わったようでした。
純粋な子ども達にとって「知る」という事は本当に大切なのだと感じます。
続いて実際にふれあい方をロールプレイング方式で学びました。ふれあい方のポイントは
①赤ちゃんと目の高さを合わせる
②ゆっくりと話しかける
③抱っこしてみる
の3つ!①と②は赤ちゃんに扮した職員が参加者の周りをハイハイ…。(笑)
そこに体をかがませ「こんにちは」と話しかけてもらいます。
③の抱っこはクマの人形(子どもたちによればウーフくん♂)を使って横抱きの練習。
そーっと首を支えるFくんは
「なんかお父さんみたい!」
と周りから声が挙がる程、小5にしてお父さんの風格!(笑)
親の気分でお隣りさんにもそっと抱かせてあげてを繰り返します。
練習の後は本番!
その前にふれあいの中の目標を持てるように「やってみよう!」という関わりの4つの提案をしました。
①赤ちゃんの名前を聞こう
②赤ちゃんの年齢を聞こう
③抱っこさせてもらおう
④笑顔を引き出そう!
の4つ!そしていよいよエプロンを着用、手洗い、消毒を済ませ乳幼児室へ向かいます。
乳幼児室では事前の周知を聞いてきてくれた、協力的な赤ちゃん連れの親子が待っていてくれました♪
「こんにちは」
と挨拶後、実際にふれあい開始。
緊張気味の子ども達でしたが、事前学習の際の目標を意識しながら積極的にふれあいました。
抱っこさせてもらうと本物は人形と違って重く、泣かれるしと大変な様子でしたが
「あ、今笑った」
と赤ちゃんの笑顔に参加した子も思わず笑顔に♪なんて場面もありました。
お母さんからは
「うちの子ボールが好きなんだよ」
とアドバイスをもらってボールで遊んでみたり…。
お父さんが
「名前はなんですか?」
の質問に
「僕の名前はね…」
と場を和ますユーモアを入れてくれたり(笑)
時間はあっという間に過ぎ、終わりの時間が近づいたところで、
ふれあいのお礼に実習生からの手遊び・絵本の読み聞かせをしてもらいました。
学生の読み聞かせにはふれあいの中ではお兄さん、お姉さんだった3人も童心に返って夢中でした。(笑)
読み聞かせ後には質問タイムを設けさせてもらい、Sさんからは
「大変なことはなんですか?」
と質問がありました。
「眠いときにも遊んでとお願いされること」
「遊んであげたいのに仕事に行かなければならないこと」
など、親らしい回答を頂き、和やかな時間になりました。
その後お礼の挨拶をして終了。児童室に戻り、振り返りを行いました。
用意した振り返りシートに「やってみよう!」の成果や今後について記入してもらいました。
実際に赤ちゃんとふれあってみた感想は
「重くて子育てって大変だなぁって思った」
「色々な子がいてびっくりした」
とIくんとFくん。
Sさんは…
「いっぱい書いてるから待ってて」
とシートいっぱいに素敵な感想をかいてくれたので、最後に紹介したいと思います。
それぞれの感想はありましたが、最後に一つ職員から質問をしました。
「赤ちゃん、可愛かった?」
これには声をそろえて
「可愛かった♡」
と答えてくれました。この言葉に今回の事業を行って良かったなと改めて感じました。
3人ともにいいイメージはなかったものの、
実際に学んで関わることでこんなにも心境に変化があったことに嬉しく思いました。
では最後にA4の用紙両面に目一杯書いてくれたSさんの感想を掲載させてもらいます。
赤ちゃんとふれあい振り返りシート(※一部抜粋)
もっとあそびたかった。
あかちゃんはいい印象ああまりなかったけど、今日のことで、
いい印象が数えきれないくらい増えました。悪い印象は…もうなくなったかもしれません。
絶対にもう一度やってください。
またやりたい!やるときはすぐに教えてください!ゆうせんして参加します!
大きくなったら、お母さんになり、こういうイベントのお母さんの立場になると思うと楽しみです。
初めてこんなに赤ちゃんとふれあえました。こんなきかい、二度となくなり、
もう赤ちゃんとふれあえないのなら…あぁ…いや!絶対!!ふれあうきかいをつくりたい!いや…つくる。
つくります!!!!
お母さんに早くなりたいです。11才だから10年くらい先かな…お母さんになったら、
女の子と男の子がほしいな。ふたごとか?大変だけど、そうなったらがんばります。
大きくなってから、赤ちゃんが産まれて、こんなきかいがあったら、むすこやむすめ?と一緒に参加します。
ギュッと今回の事業の大切さを職員にも教えてくれた振り返りシートでした。
子ども心をこんなにも変化させる赤ちゃんとのふれあい…
きっと大人が想像もできないくらい神秘的で魅力的なのですね。
赤ちゃんって可愛い!言葉では伝えるのは簡単でもそれを学べる場は少ないのだと思います。
少し大げさですが命の尊さや父や母になる将来を想像する…
この貴重な経験を多くの子どもに広めていけたらと思います。
そして子ども思いの優しいパパ・ママが増えていくといいなぁ…と思います。
参加してくれたSさん、Iくん、Fくん、ご協力頂いた温かい親子のみなさん、
本当にありがとうございました!
児童厚生員 榎戸 勇太(3)